2013年8月25日日曜日

映画:『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』を観る。



週末、雨で外に出る気もなかなか湧かないので、ひとりで映画をみておりました。
ひとりなので、重たいやつ…というわけ(?)で『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』。

タイトルの通り、日本でも有数のたてこもり事件である「あさま山荘事件」と、そこに至るまでの過程で起きてしまった「山岳ベース事件」を、連合赤軍側からの視点で描いている映画です。

連合赤軍事件っていうと生まれるよりぜんぜん前(1971・1972年くらい)なので、まったくわからない世代なんだけど、本で読んだりTVでみたりしていて以前からちょっと興味があったこともあり、今回手に取ってみました。





率直な感想を言うと、なかなか辛い映画です。


共産主義との出会い、政治運動・学生運動があって、
警察や大学っていう公権力とのぶつかり合いや一般市民とのズレの中で、どんどん当時の若者たちの意識が尖っていって。

銀行を襲ってお金を奪い、警察署や銃砲店を襲って武器を奪い、
「革命」を成し遂げる為に山に籠って訓練と共同生活を続けて、
あまりにも濃いその生活の中で革命への気持ちがどんどんエスカレート。
遂にはリンチ殺人にまで発展。

多くのメンバーがおかしいと思いながらも凶行は止まらずに、
本来仲間であるはずの人間がどんどん死んでいくというイカレた状況。

最終的には何の関係もない女の人を人質にして、真冬の山荘に立てこもるにまで至ってしまう。




実際にあったことなんだけど、感覚が2013年の自分と全く異なっているから、ぜんぜん飲み下せないっす。
もちろん理解出来ると思ってみたわけじゃないけど、自分と重ね合わせることはできそうにもありません。

でも、今の自分と同じか、それより下の年齢(実際あさま山荘に立てこもったメンバーの中で一番若い子は16歳だった)の人間が、戦争も終わった平和な世の中で、特定の思想の為に自分と他人の命をかけて戦おうとしていたわけです。x
もうなにか、根本が違っているよなー。やっぱり想像もできない。


作品としては、ドキュメンタリーっぽい撮り方と役者さんの演技で、赤軍メンバーの感情がリアルに描かれている、鋭い映画だなと思いました。
いくら革命を目指したある意味純粋な集団とはいえ、そこは若者。
好きな人が参加しているから、とか、正直周りの熱に浮かされて、とかいう人もいるわけで、そういう人たちの心の動きが痛いほどに伝わってきました。
坂井真紀さんの笑顔が辛かった。

いままで警察側の視点で描かれたものをちょろっと観たことしかなかったんだけど、これは知識としても観ておいて損はないんじゃないかなぁと思います。





うーん、なんか楽しいものに触れたいぞ。

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