2016年12月22日木曜日

VSMYBLUES / VSMYBLUES




VSMYBLUESの1stアルバム『VSMYBLUES』を聴いています。


前身バンドのiGOラストライブからちょうど丸二年、発売されるのを楽しみにしてました。

気持ちが乗っかってて、すごくいい。好きだなあ。
iGOのテイスト強めの曲もあるけど、これはやっぱり別のバンドです。
頭に浮かぶのは、茶色いテレキャスじゃなくて、アコギを抱えてる茜谷さん。








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このアルバムの第一印象は、『祭』だなー。


祈りとか怒りとか悲しみとかではなくて、そういうのを内に含んで、皆で踊る祭。
(単純に祭っぽい曲が入ってるというのもあるんだけど)







VSMYBLUESの話をしようとすると、やっぱり東北の地震に思いが至ります。


いわゆるお祭りって、本当の始まりは自然の恵みへの感謝とか、どうしようもないものへの恐れとか、そういうものだと思うんだけど。


地震があって、バンドの中で変化が起きて、原初の祭みたいにぶわーっと出てきたもの。
そういうものに、ものすごいエネルギーを感じるなあ。
紛うことなきファーストアルバム。
気のせいかな。


正直、震災のあとにiGOが出した『TRUE or FALSE』は、なんとなく聴きづらさを覚えてしっくりこなかったんだけど、やっと自分が追いついてきたのかなとも思います。
今はすんなり入ってきます。とてもいい。

これは自分にしみこませる様に聴くべきアルバムです。









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久しぶりに新しい音源に触れたんだけど、
なにより、やっぱり茜谷さんたちの歌声や音が好きだなと思いました。


唄うテーマは変わっても、相変わらず優しいバンドです。
本当に。






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VSMYBLUES / VSMYBLUES について




2016年11月24日木曜日

BIMBOROLL / ザ・クロマニヨンズ




我が家と相性が悪いのか何なのか、遅いし不安定だし期限が悪くなるとGoogleさえも動かなくなっていたS○ftbank Airに別れを告げ、スターキャットのさくさく光回線で書き込んでいます。
ストレスがない…すばらしい…





それはそうと、クロマニヨンズの『BIMBOROLL』という新しいアルバムが今月の頭に出ておりました。


彼らの新譜が出るたびに感じている気もするんだけど、本当にみずみずしい音楽を作るよなー。
ほんの少しの惰性を、毎回愛情が越えてきます。不思議な感覚。


でも今回のアルバムは、ここ数作の中でも特に好きな感じがしています。
すごくプリミティブなところを刺激してくる感じがするんだな。



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アルバムがリリースされたときにヒロトとマーシーがナタリーのインタビューに答えていて、すごく彼ららしいなって思ったやりとりがあって。



>──じゃあお客さんのノリが気になったりすることは?
>ヒロト 一切ないですね。
>マーシー 自分が盛り上がればいいんです。

この雰囲気が伝わる曲ほど名曲になってる気がするな、これまでも。



初めて聴いたときに一発で好きになった『ピート』って曲があるんだけど、この曲も、聴く人のことなんか一切考えずに作ってくれていたらすごく嬉しいなあ。

そうだったら最高なんだけどなー。






かたちじゃないよ ピート
言葉でもない

夢見るときの ピート
心のような

だから今すぐピート
そのギブソンでピート
ぶっ壊してくれ ぼくの部屋

おお マイジェネレーション







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BIMBOROLL / ザ・クロマニヨンズ について

2016年9月4日日曜日

iGO for VSMYBLUES









10年前から着てるくたびれた
バンドTに誰も反応しなくても
時が流れて景色が変わっても
いつまでもエイトビートで揺れていたい







最初はいろいろ考えながら聞いていたんだけど、気がつくとそんなことは頭からいなくなってました。
単純に、頭に音がばちーんと当たるのが気持ちよくて、楽しい。

そういえば、はじめはそれで好きになったんだったな。

語る言葉は少しづつ変わっていくけど、ライブの音に変換されると変な身構えとか、そういうのは全部なくなるんですよね。
茜谷さんが完全に曲にノリ切っていて、ひやっとするくらい格好良かった。



良かったなあ。






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FUN!FUN!!ファンファーレ、最高でした。
笑顔だらけ。



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iGO for VSMYBLUESについて




2016年8月24日水曜日

I LOVE YOU TILL I DIE / さよならパリス





自然体でかっこつけないのがかっこいいとか、
いやいや逆に思い切りかっこつけてるのがかっこいいとか、
バンドのかっこいい論は人それぞれだと思うんだけども、


ここ数日、このアルバムを何十回も聴いて、
歌詞カードもくるくる回して、
数年ぶりににギターボーカルの友哉さんのブログも読み漁って、
と、ちょっと気持ち悪いくらいのアプローチをしているうちに、


これがどっちなのか、わからなくなってしまっています。




いや、結論としては「どっちにしたってすげえかっこいい」って話なんですけど、

でももし僕がこの20曲から感じているイメージがフィクションでなかったとしたら(歌詞の一言一句までとかそういうことではなくね)、もはや「かっこいい」とかではなくて「憧れ」なんだよな。
手が届かないです。



音源のリリースがあって、本当に良かった。
ひさしぶりにライブに行こうと思います。




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I LOVE YOU TILL I DIE / さよならパリス について

2016年8月17日水曜日

Sand Pit CAFE favorite songs / V.A.

店内の壁画と同じアーティストさんによるジャケ。イカス。


名古屋にはじめて越してきてから早10年と少し、途中ちょっと離れた期間もあったけど、なんだかんだでそれくらいの時間、この街をぷらぷらしています。

そんなそこそこ長い期間の間で、僕にとってほとんど唯一といっていい「イキツケ」のお店である天白区野並のカフェ・SandPitが、先日開店6周年記念のコンピCDをリリースしました。


浦林くるみ

YOK.
ojb
Scanally
カワムラユウスケ&フレンチソニックス
タナ・カミオ
kinemas
サノヒトミ
folt


名古屋バンド好きであればどうにもにやりとしてしまう参加アーティストたちが、それぞれSandPitをイメージして作った曲を持ち寄り。

まるでお店そのもののように、カラフルでおもちゃ箱感のある一枚だな~と、聴きながらひしひしと感じております。
(ジャンルも音の雰囲気も、見事にクセたっぷり、統一感がなくて最高◎)



これ、コンセプトが明快だから、作ってる人の視点を想像しながら聴いていくのも楽しい。

お店のドアをくぐって、カウンターに座ってごはんを食べて、コーヒーを飲みながら店主の野末さんと話をする。

その過程は自分と同じはずなのに、それぞれ見えている景色はまるで違うんだよね。
この人はこうやって言葉にするんだな~、とか。 面白いです。



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そうそう、さらにありがたいことに、CDにコーヒーのチケットが一枚ついている!
CDが1,000円なので実質500円ちょいになるという、お茶目な趣向です。
ただしカウンターに座った方のみ、というのが実に野末さんらしい)


とてもおもしろい企画盤でした。 ナイス◎



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このアルバムを聴きながら、そういえばSandpitに最初に行ったのはいつだったっけ…と思い出そうとしてみたんだけど、ぜんぜん覚えてませんでした。

でも最初に存在を知ったのは2013年のnothingmanの鶴舞公園野外ライブ(ワルフェス)だったはず。
「ライブのフードでタコライスとか、おしゃれカフェやんけ(当時の自分の判断基準)…置いてあるビールもなんか外国のおしゃれなやつだし、店員イケメンだし、俺にはかかわりのない世界だな…」と内心卑屈になったことを覚えているので間違いありません。

そんなSandPitですが、いまやふらっと一人でお店に行き、ベルガギロスについて語るまでになりました。
人間、話してみないとわからないもんですね…あ、コーヒー飲みたくなってきたな。野末さんの淹れるコーヒーは、ホットもアイスも絶品なんです。


ベルガギロスはかっこいいです



2016年4月3日日曜日

THE DANCE WE DO 2016 / レミ街×中村高校吹奏楽部


中村公園の大鳥居と満開の桜をくぐって、遊びにいってきましたザダンスウィードゥー。

感激の余韻さめやらず思わずブログにしたためる次第。



フルセットのレミ街と地元の高校の吹奏楽部の生徒さんが集まって、中村区の文化小劇場というところで一夜かぎりのコンサート。すごく素敵な夜でした。

音楽にもいろいろなジャンルがあるけれど、ああいう人の表情が、意気込みが、思い入れが、あふれて見えてしまうようなのに勝てるものはないなあ。





『フ ェ ネ ス テ ィ カ』は2015年で個人的にいちばん響いたアルバムで、今もずっと聴いているし、いろんな楽器が入った全部載せのレミ街ってだけで見る価値は十分すぎるくらい。
そんでもって、そこに高校生の子達との一体感が加わっていたのが、本当によかったです。



半年間、今日のためにがんばってきたんだって。

そういうがんばりが全部出ていて、感動しました。

バンドのメンバーも、高校生の子達も、とてもよい表情、よい笑顔。
フルートのソロ、トランペットのソロ。
いっぱい練習した分、大勢の前で緊張しただろうにね。

紹介されたドラムの女の子、終始にこにこしてたトロンボーンの男の子。
吹奏楽の楽器の名前、ぜんぜんわからないけど、とにかくみんな誇らしそうな顔をしてたなぁ。


彼らにとって、どれだけ衝撃的な体験なんだろうか。
絶対、忘れられないよな。
いいなあ、羨ましいなあ。
あの子達に負けないように、俺も明日からまたがんばらなきゃ。


と、素直に思わされてしまいました。

うーん、余韻が。
本当に素敵な瞬間の心の動きようって、どうにもならんね。




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にしても、レミ街の曲のいいこと歌のいいことといったら。
最高っすね。









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THE DANCE WE DO 2016 / レミ街×中村高校吹奏楽部 について




2016年3月24日木曜日

超ライブ / フジロッ久(仮)




「思い出補正」って言葉、何年か前からよく見かけるようになった。
だいたいの場合、ネガティブなニュアンスで使われてるように思います。

あの映画、面白かった覚えがあるけど、「思い出補正」だよねー。

素敵な思い出は時間が経つにつれて美化されて、実際のところ以上によく思えちゃう。
その実、大したことねえ、みたいなニュアンス。




僕はこの言葉のそういう雰囲気に、なんだか違和感がありました。

特に音楽。

この歳になると、どんどんと「思い出補正」がかかった音楽が増えてくるもので。

曲そのもの、ただそれだけではなくて、
その音楽との出会い、初めて聴いたときの感覚。
聴いた場所の風景、一緒に聴いた人。
作った人のビハインド、ストーリー。

いろんな思い出が音楽にまざって、ひとつになって自分の中にすとんと落ちる。
その価値がとても美しいから、何十年も前の曲がいまだに自分をわくわくさせてくれる。
この感覚って、割とすべてだったりして。
僕は別に評論家でもバイヤーでもなんでもないから、主観100%ですげーと思える曲があれば
それが最高で、たとえば音楽的に優れてないとしてもあんまり関係ないのです。
(もちろん最高に優れてると思って聴いてるけどね)

そんな「思い出補正」をがっつり感じられる音楽が僕にもいくつかあって、こりゃありがたいという気持ち。

聴きたい曲をいつでも取り出せるAppleMusicは便利なんだろうけど、
そういう意味で今の自分の感覚ではあんまり使う気になれません。
新しい音楽を足していくのは、もう少しゆっくり、ちょっとずつでいい。




無駄な前置きが長くなってしまったけど、
フジロッ久(仮)の新しいアルバム、『超ライブ』 がすばらしい、というお話です。



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わざわざ「思い出補正」のくだりを書いたからには、
フジロッ久(仮)というバンドとの間にさぞたくさんの思い出があるのか、というと、そうでもありません。
というか、ほぼありません。

最初に名前を知ったのは大須のレコードショップZOOの、お店の入り口に貼ってあったポスター。
たぶん7,8年前で、最初のアルバム(『コワレル』)のリリースより前のはずだから、
なんかのツアーのポスターだったのかなあ。
バンド名だけ見て、「コミックバンドかなー」と思った記憶が。。。

そこからつい一年ちょっと前まで、聴くこともなかったし、もちろんライブもなし。






じゃあなんだっていうと、聴く自分がそんな感じでも、
この『超ライブ』は、びっしびしの「思い出」感に満ちているのです。




確かにこの一年愛着持ってよく聴いたし、ライブも遊びに行ったし、
それこそいろんな話を友達としたりして、しっかり思い出になっているんだけど。

この感じはそれだけじゃないっす。


僕も日本語ロック・日本語パンクは好きだし、元希さん同様、ブルーハーツは愛しています。
「手がかりは薄い月明かり」「諦めるなんてないから!」って歌詞もすごくうれしかった。
きっと『月の爆撃機』『ブルーハーツのテーマ』をリスペクトして書いたんだろうなーって。

でもやっぱりそれだけでもない。


型にハマらないピースフルな歌もかっこいい。
ありあまるパワーをぶん回す感じのボーカルって大好きで。
直線でもまん丸でもなく、楕円のイメージ。ウィルソンピケットみたいなやつ。

でも(略)





…と、聴きながらいろいろ受け止めようとして結局よくわからなかったわけですが、
自分の好きなものと重なる部分がたくさんあることに加えて、
やっぱり100%主観で音楽をやってることそのもののパワーなのかな。
(もちろん、ご本人たちのことはわからないから、これも僕の主観)


フジロッ久(仮)の歌には、これは作った本人にしかわからんだろうなーとか、
これってめちゃくちゃ個人的な心情だよなあってフレーズがいっぱいあるんだけど、
そういうことをこれだけ前のめりに表現されると、それはもう感覚的に伝わるんだよね。
細かい解釈とかそういう面倒なことはおいといて。


主観100%で投げられた表現を、主観100%で受け止める。
いろんな要素が重なって、強烈な「思い出」感さえ出ちゃう。
これはクサイなー。ロマンチックだ。








と、無性にくどい話になってしまったけど、僕はこのアルバム、大好きです。

来月、このアルバムをひっさげたツアーのライブが名古屋でもあって、すごく楽しみ。







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超ライブ / フジロッ久(仮) について



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ほい、ウーロン茶!

心にもない言葉でお別れです!マザー、ファッカー

空 ビル 手のひら 見えるものと 別の姿