2014年7月10日木曜日

遠藤賢司「ニューアルバム「恋の歌」発売記念ライブ」@今池得三




エンケンこと遠藤賢司さんのライブを見てきました。
ステージにひとりの弾き語りライブ。
エンケンさんは今年デビュー45周年、御年67歳。
『20世紀少年』の主人公ケンヂのモデルになったことでも有名。

そんなエンケンさんの歌と僕が出会ったのは大学1年生のときで、大学の先輩である永井さんが貸してくれた『満足できるかな』という71年のCDがはじまり。
永井さんにはヒップホップからフォークソングまで本当にいろんな音楽を教えてもらって、未だに僕が聴く音楽は先輩由来のものが多いです。
直接言うのは恥ずかしいのでいやですが、感謝してもしきれんなー。


初めて聴いた時、オリジナリティーの塊みたいな人だな、と思いました。

僕の頭の中ではレコードの中・若い時のトガりまくったエンケンさんのまま。
ライブを見に行くことになって、おじいちゃんになった彼はどんな人なんだろうと楽しみにしていたんです。

そして今日。
実際に見る67歳のエンケンさんは、説教臭くなるわけでもなく、丸まるわけでもなく、枯れるわけでもない、頭の中にいたエンケンさんそのままの、火の玉みたいな人でした。



歌も演奏も言葉もめちゃくちゃかっこ良かったです。

掌でネックを抱きしめるみたいにギターを弾いて、台風みたいなブルースハープを鳴らす。
ボディーが中から爆ぜるんじゃないかと思うような爆音を出したかと思えば、サウンドホールから水が溢れるみたいな優しいフレーズがでてくる。

一曲ピアノの弾き語りもあったんだけど、冗談抜きで今までみたすべての演奏の中で一番美しい音でした。座って聴いていて思わず身震い。




デビューして45周年。45年って正直想像もつかないけど、それだけ続けていたら普通もっといろいろ均一化しちゃうような気がします。
でもエンケンさんにはその感じが全くなかった。全部新しい。


MCで

「常に自分がいまやりたいと思ったことをやりたい。そうじゃないと自分が感動できない。自分が感動できなかったら聴いている人にも伝わらない。いま演った『カレーライス』、前聴いた時と弾き方が違うと思った方もいると思うけど、10年後またここでやるときにはまた違う弾き方をしているはず。それが僕の純音楽。」

というようなことをサラッと仰っていて、なんてカッコイイおじいちゃんなんだと思いました。



そんなエンケンさんが45年目に作った『恋の歌』というアルバム。
再デビューのつもりでギター一本、一発撮りだそうです。


67歳のおじいちゃんがこんなタイトルのレコードを作ったということだけで既にカッコイイ。
聴くの、すごく楽しみです。
アルバムのタイトルにもなっている『恋の歌』という曲もライブでやってくれたけど、10分以上ある長ーい曲があっという間に感じられる、素敵で熱い曲でした。









ライブの記憶なんてずいぶんふわっとしたもので、そのとき思ったことや感じたこと、どんな曲でどんなことを歌ってたのか、一緒に飲んだお酒のこと、歌ってる人の表情、割とすぐに記憶からなくなるようなもんです。
だけども今夜のエンケンさんはあまりに素敵すぎて忘れたくなく、たまのブログ更新と相成りました。いやーいい夜でした。機会があればまた直接聴きたいです、うん。